今回は国民健康保険法について解説していきます。
基本テキストP20の冒頭に国民健康保険法の沿革について記載されています。年号がポイントになります。しっかりと覚えておきましょう。
次に目的等に関してですが、健保と横断的に学習するのが効果的です。例えば国保であれば「社会保障及び国民保険の向上」ですが、健保は「国民の生活の安定と福祉の向上」となっています。また、2条では「被保険者の疾病・・・」と規定しており、健保のように労働者や被扶養やという文言は出てきません。テキストP23のポイントと併せて確認しておきましょう。
保険者は都道府県等と国民健康保険組合ですが、健保の保険者はすぐに思い浮かびますか?健保は協会と健保組合でしたね。
P.21の国保組合の設立要件ですが、③の規定の解釈が難しいかもしれません。③の規定は平成30年の法改正で新設された規定ですが、aのその地区が1の都道府県の区域を超えないとは、例えば、兵庫県の国保組合に「兵庫県食品国保組合」があります。当該組合は兵庫県内の食品製造・販売、喫茶店、飲食店などが加入できるのですが、他府県の事業主は加入することができません。そのような組合がaに該当する国保組合です。それに対して、P22のbは例えば「近畿税理士国保組合」があります。当該組合は近畿で開業する税理士が加入できるので、2以上の都道府県にまたがります。このようにイメージして条文を読んでいって下さい。
次に国、都道府県、市町村の責務についてです。主な役割として都道府県は、財政運営の責任主体であり、市町村ごとの標準保険料率(P37参考)を算定し提示するとともに、国民健康保険保険給付費等交付金(P35)を市町村に交付します。それに対して市町村は資格の管理、標準保険料率を参考に保険料率を決定し、保険料を徴収します。また、保険給付を実施するのも市町村となります。
参考ですが、P22の語句に「国民健康保険税」の説明があります。市町村は保険料でなく、保険税として徴収することができます。どちらで徴収してもかまいませんが、実際には「税」として徴収する市町村が多いのです。それは、「税」で徴収すれば、時効が5年(保険料で徴収すれば2年)となることや、先取特権で有利になるためです。先取特権は覚えていますか?先取特権は社会保険料は国税・地方税に次ぎます。従って地方税で徴収した方が有利になるのです。
今日は、ここまでです。ところで全国社会保険労務士連合会のHPで受験要綱が発表されています。
試験日は8月23にです。HPで確認しておいてください。