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ぬきば労務コンサルティングぬきば社労士事務所

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社労士受験生 2024年9月24日

労基法の事業とは

労基法1回目の講義では「事業」について学習します。労基法の「事業」の概念は、工場、事務所、店舗等のごとく一定の場所において相関連する組織のもとに業として継続的に行われる作業の一体をいうのであって、必ずしもいわゆる経営上一体をなす支店、工場等を総合した全事業を指すものではありません。

従って一の事業であるか否かは主として場所的概念によって決定すべきもので、同一の場所にあるものは原則として1個の事業とし、場所的に分散するものは原則として別個の事業とします。これは、監督行政の体制に対応するためで、「事業」の所在地を管轄する労基署がその「事業」につき監督権限等を行使します。

しかし、「場所」という物理的な単位が事業となっていることが新しい時代に対応できるのでしょうか。その典型がリモートワークや副業・兼業等です。令和6年の択一問題で事業の概念が出題されたのも、厚労省の「新しい時代に関する働き方に関する研究会」の報告書が背景にあったものと思われます。

後半で就業規則の勉強をしますが、就業規則の作成義務があるのは、1の事業において常時10人以上使用する使用者です。例えば9人の事業所が100か所あり、全体で900人の規模となっている企業は就業規則の作成義務の対象にはなりません。このような点を考えたとき、場所的概念で事業を解釈してよいのでしょうか。例えば「ヒト」に関することは企業単位で考えるなど、議論していく必要があると考えます。

次回は労働者の定義についてお話します。このテーマも今の働き方に対応できているのでしょうか?もちろん「労働者」の定義は試験対策としても重要なテーマの一つです。皆さんと一緒に考えてみたいと思います。