早いもので、TACの講義は労基法の中盤に入っています。
先般、講義で労働時間の話をしたのですが、労働時間とは「使用者の指揮命令下の置かれたもの評価することができるか否かにより客観的に定まるもの」との最高裁判例があります。いわゆる客観説といわれるものです
特に始業時刻前に行う朝礼や開店準備行為は気をつけなければなりません。ヘッドスパサロンで働いていた従業員が朝礼と開店準備行為は労働時間に当たると主張し未払い賃金の支払いを求めた事案において、今年9月東京地裁は労働時間に当たると判断しました。地裁は営業開始45分前に朝礼が始まり、出社できない場合は連絡するオペレーションだった点を重視しました。
実務ではグレーゾーンは出てきますが、会社としては労働時間の管理を徹底することが重要でしょう。今回のケースでは2年分の割増賃金の支払いで済みましたが、賃金債権の時効は現在3年です。3年の時効が適用されると、訴訟リスクは増加します。
受講生の皆さん、労働時間の定義と時効を確認しておきましょう。
また、今までの慣習で営業前にミーティング等を行っていた会社はもう一度見直す必要があるでしょう。