ぬきば労務コンサルティング

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社労士受験生 2020年10月9日

賃金5原則の話

前回に引き続き、今日も賃金5原則の話をします。

労基法では、賃金は直接労働者に支払わなければならないと規定されています。ただし、いくつか例外があり、その一つに行政官庁が国税徴収法の規定に基づいて行った差押え処分に従って、使用者が労働者の賃金を控除のうえ、当該行政官庁に納付する場合は労基法違反になりません。

例えば、労働者が税金を滞納し、督促状が送付されても納付しない場合、通常、会社に電話があり、労働者についての確認などが行われ、調査後、会社に差押通知書が送られてきます。会社は通知書に従い滞納している税金を控除したのち、残りを労働者に支払います。滞納分は会社が行政官庁に納付します。ただし、控除額が多額になると労働者は生計を維持することが困難になるため、1回あたり控除できる金額には上限を設けています。

これ以外にも民事執行法に基づく差押えにおける差押債権者への支払いも直接払いの例外として認められます。(基本テキストには載っていませんが、レジュメには載せています。)

今、離婚後に子供の養育費が払われないというケースが問題となっています。この場合、夫の給与や預貯金を差押えすることができます。ただし、裁判所で強制執行の手続きをする必要があります。その際、夫が転職していたり、預貯金のある銀行を変えてしまうと、勤務先や金融機関が特定できないため、差し押さえすることができません。勤務先や銀行を特定するために妻が探偵や弁護士に依頼して情報を収集するとなると多額の費用がかかり、結局、泣き寝入りしてしまうことになるのです。

このような逃げ得は許しません。民事執行法が改正されました!!(令和2年4月1日施行)裁判所が夫の情報を市町村や年金事務所、金融機関に照会することが可能となりました。これにより、勤務先や金融機関が特定され給与や預貯金をスムーズに差押えすることができるのです。ただし、注意してほしいのは、養育費に関する取り決めを書面にしている場合に限られます。公正証書や調停証書、裁判所の判決書が必要となります。口約束で済まさないことが重要です。

今年は、全額払いの例外規定もしっかり確認しておきましょう。