今日は、TACの法改正セミナーのテキストがやっと届いたので、パ有法と派遣法を見てみました。うーん、これはちゃんと整理しないと理解しずらいなと思いました。脅かすわけではありません。均等・均衡待遇の考え方はパ有法でも派遣法でも同じです。同じところは同じと覚えてしまえばよいわけです。講義では横断学習を取り入れようと思います。そのためにも、まずパ有法のポイントをしっかりと抑えておかなければなりません。
前回はパ有法8条の均衡待遇について解説しました。今日は、9条についてお話しします。9条は均等待遇といって、「通常の労働者と同視すべき短時間・有期雇用労働者」については、「通常の労働者」との間で、パート・有期労働者であることを理由とした差別的取り扱いは禁止にするという規定です。簡単に言うと、正社員と職務内容や人材活用の仕組みが同じなら、すべての待遇について正社員と同じ取扱いにしなさいということです。8条は職務内容や人材活用の仕組みや運用の違いとの関係でバランスが取れていれば、待遇に差があっても構いませんが、9条はすべての待遇について差を設けてはならないのです。法的効果は8条に比べて非常に強いものをいえます。
それでは、通常の労働者と同視すべき短時間・有期雇用労働者とはどのような人でしょうか。具体的には①職務内容が同一で、かつ、②雇用関係終了までの全期間にわたって職務の内容及び配置が同一の範囲で変更されることが見込まれる人です。この2つの要件は抑えておきましょう。本来、このような人は正社員にすべき人ですよね。仕事も同じ、転勤も全く正社員と同じようなパート社員や契約社員がいるのとかと思われるかもしれませんが、実は存在するのです。
次のこの法律で重要なポイントとなるのが、待遇に関する説明義務です。基本テキストだとP44.45に載っている14条の規定です。1項は雇入れたときに説明する事項です。2項が特に重要で、パート・有期雇用労働者から求めがあったときに説明しなければならないという規定で、説明する事項はテキストで確認しておいてください。説明事項の中でも、「短時間・有期雇用労働者と通常の労働者との間の待遇の相違の内容及び理由」は重要です。実務では、求めがあってからでは遅いので、事前に待遇の相違とその理由を説明できるように準備しておいてくださいと話しています。「この差は不合理ではないです。」ということをパート・有期雇用労働者が納得できるようにしておかなければなりません。
次回は派遣法についてお話しします。法改正のテキストが届きましたら、雇用保険、パ有法、派遣法は事前に読んでおいてほしいと思います。