ぬきば労務コンサルティング

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社労士受験生 2020年4月28日

雇用保険法の改正~1条が改正されました~

今日は、雇用保険法の改正についてお話しします。実は、まだTACから法改正セミナーのテキストが届いていないので、私が知る範囲で解説していきます。

今回は育児休業給付についてです。育児休業給付は、育休中に賃金が得られない労働者が、「失業」に至らないよう雇用継続を援助・促進する雇用継続給付の類型として創設されました。この給付の受給者数は増加しており給付額はいまや基本手当に匹敵するほどになっています。それに対して求職者給付は現在の雇用情勢(コロナ以前)において相対的に低い支給状況にあります。このまま育児休業給付を求職者給付等と一体的な財政運営で続けた場合、景気状況が悪化した際には、育児休業給付の伸びに加えて求職者給付の増加が相まって財政状況が悪化し、積立金の取り崩しや保険料率の引上げが必要となります。これは求職者給付と育児休業給付の双方にとって望ましくありません。

このため、育児休業給付については、失業等給付とは異なる給付体系に明確に位置づけを行いました。収支についても失業等給付とは区分し、失業等給付全体として設定されている雇用保険料率の中に育児休業給付に充てるべき独自の保険料率を設けました。

以下、具体的な改正内容です。

1、1条の改正「雇用保険は、労働者が失業した場合及び労働者について雇用の継続が困難となる事由が生じた場合に必要な給付を行うほか、労働者 が自ら職業に関する教育訓練を受けた場合及び労働者が子を養育するための休業をした場合に必要な給付を行うことにより、労働者の生活及び雇用の安定を図るとともに、求職活動を容易にする等その就職を促進し、あわせて、労働者の職業の安定に資するため、失業の予防、雇用状態の是正及び雇用機会の増大、労働者の能力の開発及び向上その他労働者の福祉の増進を図ることを目的とする。」太字が追加になった部分です。

2、育児休業給付金について、雇用継続給付から削除するとともに、失業等給付とは別の章として育児休業給付の章を新設しました。イメージ  雇用保険事業→失業等給付・育児休業給付・二事業の3つ

3、失業等給付で措置されている未支給の失業等給付、返還命令等、受給権の保護及び公課の禁止について育児休業給付について準用

4、育児休業給付の国庫負担は8分の1(雇用継続給付の国庫負担と同じです)。雇用保険料率は一般事業の場合、失業等給付分2/1000、育児休業給付分4/1000、二事業分3/1000で合計9/1000となります。合計9/1000は昨年度と同じになりますが、育児休業給付の保険料率(4/1000)を設定しました。

これが主な改正点です。実はこれ以外にも細かい改正がありますが、重要なものは今回解説したところです。もし、横断セミナーのテキストをお持ちの方(もう届いていますか?、届きましたら)は改正点を意識して読んでおいてください。

いろいろな関係先から助成金の依頼があります。本当に申し訳ないと思いながらも新規のところはお断りさせていただいています。セミナーの依頼はもう来年度の話になっており、セミナーの企画書やプログラムなど、いろいろとやらなければならないことが増えてきました。おかげさまで本の原稿は何とか書き上げましたが、これから校正でまた忙しくなります。