今日は国民健康保険法の保険給付からの解説です。
P30の保険給付の図ですが、絶対的必要給付に「家族」の付く給付がないことに気づきましたか?国保には原則「被扶養者」という概念がなかったですよね。従って、健保のように家族療養費など「家族」の付く給付はありません。逆に特別療養費があります。これは、資格証明書で受診した場合に支給されるものです。健保の日雇特例被保険者にも特別療養費があったのを覚えていますか?(健保P214参照)名称は同じでも全く異なる保険給付です。
相対的必要給付に出産育児一時金や葬祭費があります。健保では法定給付として支給されますが、国保では特別の理由があるときは実施しないことができます。令和元年に出題されています。ところで、参考までにお話ししておきますと、任意給付にある傷病手当金ですが、今回のコロナで休業した場合に、国保においても傷病手当金を支給する方向で検討してほしいと厚労省から事務連絡という形で都道府県等、国保組合あてに発出されています。
P30の一部負担金ですが、健保と同じ負担割合です。ただし健保は100分の・・・、ですが国保は10分の…と規定されています。また、一定以上所得者ですが、健保は標準報酬28万以上ですが、国保には標準報酬がありませんので、課税所得145万円以上となります。
P32の保険給付の制限ですが、ポイントは最後の1年6ヶ月滞納です。1年で被保険者証の返還で、1年6ヶ月で一時差し止めという流れを抑えておきましょう。差し止めになってしまうと、例えば高額療養費などが戻ってこないことになってしまいます。
P.33の診療報酬の支払いですが、支払機関の機能強化を目的に段階的に法改正が行われます。P33の語句が令和元年に択一で出題されていますが、現在、国民健康保険団体連合会は都道府県(実務ではこれを支部といいます)ごとにあり、知事の認可を受けて設立しています。2021年4月からは支部の規定を廃止し、本部で一括審査をすることになります。今年の試験には関係ありませんが、条文を読むときに意識するとよいでしょう。今年の改正点は、参考に規定されている2つ目の●ポチです。審査委員は改正前は保険医等、保険者、公益代表者から同数を委嘱していたのですが、改正後は保険医等、保険者のみ同数とするよう見直しが行われました。改正の背景として公益代表者(学識経験者)の確保が難しかったことがあります。
今日はここまでです。もし時間ができれば夜にでも更新します。ただし、できればの話ですが・・・